ロ◯ラ似、スポーツショップ店員
映画の説明
よくよく見ると、私は2人の女性客に見覚えがあった。昼間に街中で見た、浴衣を着ていた3人組のうちの2人だった。
私はバーカウンターの隅に座り、お店のオリジナルのカクテルを注文しながら、店内の様子を観察していた。
カウンターの席の2人組の男性客は、マスターと知り合いらしく近況を報告していた。ソファー席の男性客は、カラオケを交えながら芸人のようなノリとパフォーマンスで女の子たちを盛り上げていた。浜崎あゆみのモノマネが上手く、私も思わず吹き出してしまった。
パフォーマンスが終わり、他の3人とハイタッチをしている場面で私も笑顔で手を差し出した。
「いえ〜い!」
彼はノリノリで私にもハイタッチをしてきた。
「お兄さん、めちゃくちゃ面白いですね!てか、アユめちゃくちゃ似てるし!(笑)」
私は笑顔で話しかけた。
「いやいやいや!そんなことないですよ(笑)え、お兄さん一人ですか?よかったら何か一緒に歌いましょうよ!」
見知らぬ観光客の私に対して、彼はフレンドリーに話しかけてくれる。旅行地でのこういう出会いは好きだ。
しばらく、お互いの身の上話をしつつ、和みタイム。こういう環境でアモッキングする場合は、まずは男性陣と仲良くなるのがセオリーだ。
話題がカラオケに戻ったので、女性陣にも話題を振る。
「普段どんな音楽聴きますか?」
笑顔で。
「UVER!あとはBIGBANGとかかな。」「安室ちゃん。」
幸い、歌えるアーティストが返ってきた。安室は少し無理があるが。
カラオケでは女性の好きな曲を最初に歌う。これが、初対面のカラオケで失敗しない、いつもの私の戦い方だ。以前バンドをしていた私は、歌には人並み以上に自信があった。デンモクでUVERを入れてもらう。少しだけ、いつもと違う緊張感の中、ドキドキしながら歌う。
無事に歌い終わると拍手が起きた。
「ねぇねぇ、違う曲も歌ってよ!(笑)」
茶色のメッシュを入れたロングヘアーで、ベージュのワンピを着ながら短めのジージャンを羽織っている女子が言った。スト値8。飯田橋にある某スポーツショップ店員。ハーフ顔で、どことなくロ○ラに似ていた。
しばらく、カラオケをしながら5人で和んだ。カラオケは苦手な戦場ではない。少なからず手応えを感じていた。
この子をどうしてやろうか、、