-物語- 「あー、オレも、もうすぐ社会人か……」 ファミレスで一人寂しく夕食を済ませ、オレは物憂げな溜息をついた。 内定をもらった会社は、それほど大きくもなく、有名でもなく、給料も程々で、こう言っちゃ何だが、面白みのない会社だ。 学生時代は、卒業単位ギリギリで、就職活動とバイトに明け暮れていたせいで、出会いもなく、恋人と呼べるような相手もいない。 まあ、金だけはちょっと貯まったから、パーッと気持ち良く散財したいな、などと思っていたオレは、さっき、繁華街でもらったカードのことを思いだした。 「経験豊富な美人人妻相手に、ネットリご奉仕されて、快楽のひとときを過ごしてみませんか……って、まさに、俺の好みドストライクじゃないか！？」 オレは何故か、年上の女性に受けがいい。 モテるとか、恋愛対象にされるとか言うのとはちょっと違う、子供扱いされている感じの受けの良さなので、それがちょっとコンプレックスになっていたりもする。 （でも、年上女性ならではの色っぽさには憧れるんだよなぁ。甘えながら、エッチなことをされてみたい……） カードに書かれたうたい文句を何度も読み直しつつ、どうせ、胡散臭い風俗だろう、と、内心疑いながらも、オレは、身体の奥底から湧き上がってくる期待感を抑えきれなかった。 ちょっと警戒しながらも、ダメ元でオレはカードに書かれていたアドレスにスマホでアクセスしてみた。 「コンビニ受取」対象商品です。詳しくはこちらをご覧ください。