評価

• じっくりゆっくりさん 2022-08-11

  ありがちな「ひと夏の思い出」系だが、演出や演技はいい感じ

  内容的には表紙に明記してあるように「ひと夏の思い出」系の脚本。大枠ではありがちな内容なので過大な期待をさせないよう事前に予告してくれているのは親切かも知れない。
  
  特にこれといったオチがないのはこのシリーズのいつも通りといった感じだが、演出自体は悪くない。3回ある本番シーンはいずれもスリルのあるシチュエーションで、特に２回目までは痴呆義母をアイテムとして上手く使ってて、寝たきり老人の傍でやるような作品はありきたりだが、そっちの世界まで行ってるかどうか分からないギリギリの設定が演出として効果的。
  
  女優も演技力がすごいというわけではないんだけど、環境に不満を持ちつつ自分から何かを変えるつもりがあるわけでもない人妻の空虚で刹那的な退廃的雰囲気を醸してて、役へのなりきり度は高いと思うしカラミも見ごたえある。義弟役の男優も相変わらず上手いしキャスティングは全体的にバランスがいい。
  
  破滅的な流れでありながら特に何が起きるわけでもないシリーズ定番の中庸っぽさが個人的に趣味ではないので満点をつけるには至らないけど、ありがちな作風の範疇でそれなりに工夫して上手く作られた作品ではあると思う。

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